2017年03月

3月は、悪天候と仕事が重なり、遠征に行けたのは、2回だけでした。
その初めの遠征に撮影したものは、おおぐま座の銀河M82です。

久しぶりで、阿智村清内路の峠に行きました。
長焦点なので風の影響が心配でしたが、北の空の暗さからこの場所を選定したのですが、
結果的には正解でした。

しかし、風の影響はやはりあって、何枚か使用できない画像がありました。
到着した頃は、春霞の影響で透明度が悪かったのですが、撮影に入る頃から
透明度は良くなりました。

今回は、スターバースト銀河の代表であるM82銀河から噴き出る水素ジェットを
撮影の目的としました。
そのため、ブロードバンドフィルターの他にHαフィルターも加えて撮影を行いましたが、
雲の通過がなかったので、ほぼ、予定していた撮影を行うことができました。

気になっていた、ヤギにも会えて、満足の遠征でしたが、一人であったので残念でした。

画像処理は、L画像とHα画像を加算、R画像とHα画像を加算しています。
流石に水素ジェットは淡いので、処理に苦労しました。

イメージ 1

撮影日: 2017年3月19日 20時24分~
Orion 25㎝(F4.0)  with Pracorr2
SX-814(-30T)
L:  5m x 20
Ha :  15m x 8
RGB: 10m x 3
All 1bin

2月に3晩かけて撮影したメドゥーサ星雲が漸く処理できました。
何度かメドゥーサ星雲は撮影していますが、
今回は、ナローバンド画像とブロードバンド画像を撮影して処理しました。
月が出ている日に、Hαフィルターで撮影し、その後、OⅢフィルターで撮影し、
AOO画像を得ることができ、これで完成にしようと思ったのですが、RGB画像も気になり
後日、遠征してRGBフィルターで撮影を行いました。

この時、大きなミスをしてしまいました。
反射鏡の後ろの蓋をするのを忘れてしまったのです。
気づいたのは、撮影を終えてフラット撮影に入った時でした。

これではRGB画像は使えないと落ち込んで帰ったのですが、
画像処理してみると、星が僅かに膨れてはいますが、
使えない画像ではなかったので、本当に助かりました。

さて、画像処理の方ですが、AOO画像とRGB画像を様々な方法で
合成してみましたが、惑星状星雲の内部構造がしっかりと捉えて、
酸素ガスの広がりが良く分かるのは、加算平均でした。
その結果、AOO画像が主体で、RGB画像は内部構造に反映されています。

イメージ 1

撮影日: 2017年2月12日、2月21日、2月28日
Orion 25㎝(F4.0)  with Pracorr2
SX-814(-30T)
Ha :  15m x 14,  OⅢ: 15m x15
RGB: 10m x 6~7
All 1bin

遅くなりましたが、RATの報告です。
RAT-27に「鳳凰星雲」を掲載しました。
今回のテーマは本年の干支から「鳥」とのこと、
それに関係する天体写真は、直ぐに「かもめ星雲」が浮かぶのですが、
以前、RATに掲載したことがあるので、それ以外ということとなり、悩みました。
ここのところ、赤色の星雲・銀河が続いているので、違った色で、鳥のような形をした
星雲から、ケフェウス座の散光星雲である鳳凰星雲にしました。

掲載した写真は、2015年に星ナビに入選した写真に少し手を加えたもので、
私のお気に入りの天体写真の一つです。

次回のテーマは、「ロボット」なので、これは困っています。
ロボットの語源が、チェコ語の労働にあるとのことなので、
聖書と労働との繋がりから天体写真を考えていこうと思っています。

イメージ 1


昨年、12月に撮影した馬頭星雲を、星ナビに掲載して頂きました。
仕事のついでに、星見小屋に立ち寄って撮影したHα画像が
予想していた以上に良い写りであったので、後日、さらにSⅡとOⅢを
追加撮影して画像処理を行いました。

実は、その前にオリオン星雲を撮影していたのですが、良い写りとならずに
こちらもあまり期待してはいませんでした。

当初は、SAO合成では、緑と黄色主体の対象かと思っていたのですが、
処理を進めると橙色から深緑までの鮮やかな色彩となり驚きました。

また、微細な構造も無理なく写し出すことができました。

その結果、この対象は、あまり時間をかけることなく画像処理ができ、
印刷も苦労するこがなく、仕上がった作品でした。

批評欄には、「ブライトリム」という用語があり、いままで知らなかったもので、
勉強になりました。また、良い評価もして頂き感謝でした。

他の作品と比べると、1インチCCDカメラの解像度の限界を感じますが、
感度の高さは抜群なので、撮影する対象や、使用する望遠鏡の特性を
考えて使っていこうと思います。

星ナビに投稿した画像を掲載します。

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久しぶりで、彗星の撮影のために、木曽まで遠征をしました。
当日は、阿智で待機の予定でしたが、45P彗星の写りが良いことを知り、
その日の夜、天気の良さそうな木曽あたりに遠征をすることを決めました。
雪があることを心配して、王滝村あたりを考えて運転を始めたのですが、
結局、ここまで来たら、もっと高いところにと、御岳スキー場付近まで上がってしまいました。

12時頃着いたのですが、雪が降る中、それでも雲の切れ間から星が見える状況、
気温は氷点下6度、風がないのが救いでした。

望遠鏡を設置して、午前1時頃から撮影を開始したのですが、
雲の通過が激しく、10分程度で星が見えなくなる状態が3時過ぎまで続きました。
それからは、標高が1500mもあるだけ、素晴らしい星空が薄明まで続きました。

彗星の方は、45Pを3時まで撮影しましたが、連続撮影の画像は雲の影響で良くなく、
2枚を合成できるのみでした。
ジョンソン彗星は、3時過ぎから撮影しましたが、こちらは十分な撮影ができました。
両者の彗星の特徴が比較できるように、同じ撮影条件、同じ画像処理をしています。


イメージ 1

撮影日時 2月28日 1時53分
本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァ―彗星(45P)
TOA130 with RD
D810 (ISO3200)
300s x 2


イメージ 2

撮影日時 2月28日 4時23分
ジョンソン彗星
TOA130 with RD
D810 (ISO3200)
300s x 2

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