2022年11月

随分と時が過ぎてしまいましたが、これで皆既月食の報告の最後となります。
これまで2回は、天体望遠鏡を使っての月の写真でしたが、
カメラレンズによる皆既月食中の星空も撮影していました。

昨年の部分月食も近くのプレアデス星団と合わせて撮影したのですが、
今回は皆既月食ということで、時間も長く空も暗いので期待していました。
但し、今回は昨年よりも両者が離れているので105mmのカメラレンズを使用しました。
月が暗いために、プレアデス星団も良く写ってくれました。

最後は、皆既月食中の星空と撮影地です。


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11月8日 20時16分~
SIGMA 105mm F1.4 DG HSM   F2.8
D750   ISO4000
8秒6枚 1/10秒 6枚 

DSC_3307ps
 
 11月8日 20時01分
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED   24mm f/2.8
D750 ISO4000
5秒




今回の月食は、食の開始から食の終わりまで雲の通過もなく
大変に良い条件で撮影できましたので、撮影画像から地球の影を合成してみました。

事前時に地球の影の撮影計画を立てていたのではなかったので、当時間隔では
ありませんが、ほぼそれに合った画像を撮影することができました。

皆既前後の欠けた月で半影内の各4枚を選び、その撮影時刻でステラナビゲータを使って
シュミレーションをしました。
それを台紙として、Photoshop を使用して比較明合成により作成をしています。
食のほぼ最大時の月も中ほどに加えています。
そのために、天文学的には正確なものではありませんが、
地球の影を通過する月の動きが良く分かります。


DSC_8873-9039si-3t-jp

 月の撮影は18時09分から21時47分
 皆既中の月は19時55分
 撮影機材は 報告1と同じ

8873-9039-special-best-si-jp



 最初の写真では、地球の影の部分が広すぎてものたりないので、
 食の最大時の前後の月(19:21と20:42)を加えてみました。
 

本年最大の天体ショーとして期待していた皆既月食でしたが、
期待していた以上の成果を収めることができました。

撮影地は、当日まで悩みましたが、予想以上に天気が
良いので、標高の高い長野県南部の峠としました。

到着は午後2時頃でしたが、ここでアクシデントが発生。
撮影地の峠の公園まで駐車場から沢山の機材を運ぶことで
腰を痛めてしまいました。
それでも、どうにか撮影は出来ました。

月食中、全く雲の通過がなく、月食の始まりから終わりまで、天王星食、皆既月食中の星空、星団など
沢山撮影できたのですが、処理が追いつきませんので、
先ずは、皆既月食中の天王星とターコイズフレンジを掲載します。

DSC_8943-ps

DSC_8943-ps-t

 皆既月食と天王星食の始まり
 下の写真はトレミング
 撮影時刻 2022年11月8日 20時35分
 TOA130NS with 35FL (980mm  F7.5)
    D810A  ISO1600  1/1.3秒
    EM-200 Temma3にて自動追尾

 DSC_8956ps-2-ps-si-pss

    部分月食中のターコイズフレンジ
 撮影時刻 2022年11月8日 20時52分
 露出時間1/4秒の画像と1/60秒の画像を加算処理
   





7月に撮影していたケフェウス座の大きくて淡い星雲を
月刊星ナビのギャラリーに掲載して頂きました。

阿智村浪合の暗い夜空の下で2夜撮影できたので、
淡い星雲でしたが、明瞭に写し出すことができました。

画像処理は、AOO合成では星雲中心部の赤色の微妙な差違が
出ないために、悩みながらもRGB合成に変えてみたことにより
期待していた色合いの変化が付いてくれました。

一番気に入っていたところは、恒星の輝きですが、
コメントに「Pismis-Moreno 1 という名前の付いた散光星団が
美しく輝いています」と書いて頂きました。

投稿した画像を掲載します。

140-LA-RSA-GO-BO-RD-OS-ps-si-ps-nik-si-ps-jp


10月下旬の好天により遠征ができましたので、
その時に撮影した対象を掲載します。
カシオペヤ座のハート星雲の近くにある小さな惑星状星雲Sh2-200です。

この星雲の存在は今年まで全く知らずにいたのですが、天文仲間からの
助言もあって、この度撮影することにしました。

大変に淡い星雲であると聞いていたのですが、空の暗さとF値の小ささもあって、
ナローフィルターによる一枚の写りから星雲の存在を認めることができました。

星雲中心の酸素輝線よりも、星雲周辺の水素輝線の写りが弱いので、
Hαフィルターによる撮影を十分に行いた対象です。

画像処理はAOO合成により星雲を完成させて、RGB合成による星を
星雲画像に加えています。

200-A16O12D-AOO-D2-ps-si-RGB-ps-si2-ps-jp

撮影日:2022年10月25日、30日
撮影地:長野県阿智村浪合
ε-160ED
SX-814(-20d)
Ha: 1200s x 16
OⅢ: 1200s x 12
RGB: 300s x 8 each






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