2016年02月

2月が終わろうとしていますので、今月の撮影状況を掲載しておきます。

先ず電源ですが、自動車から100Vを取れるようになりましたので、
基本的には、バッテリーを運ぶ必要がなくなりました。
これは、体にも優しく、さらに低温でもバッテリー電圧の低下の弊害がないので、
冷却CCDを安心して一晩中使用できます。

望遠鏡ですが、昨年秋に導入した25cmニュートンは、3か月の調整の甲斐があって
漸く納得のできる写りとなりました。
氷点下10度でも撮影ができるように、防寒、結露対策をしましたので、その効果があり、
トラブルことなく撮影ができました。

ガイドは、ガイド鏡も載せることができるようにしましたが、EM200では、ガイド鏡を載せると
限界に近いので、安全を考えてオフアキとしました。

このシステムでのガイドは当初、追尾が不安定で苦労しましたが、撮影方向でしっかりと
バランスをとっておくと、ほぼ完璧なガイドをしてくれることが分かりました。
それで、基本的には撮影を始めたら、鏡筒は反転をさせないようにしています。

今月は、風もなく好条件で撮影できましたので、このシステムの風に対する影響は今のところ不明です。

イメージ 1


2月に撮影した銀河の最後は、Hickson44 コンパクト銀河群です。
昨年は250CRSで撮影しましたが、4つの銀河がぎりぎりで入る状態であったので、
今回は、さらに周辺が写るように25cmニュートンを使用しました。
初日は、L画像を撮影してみましたが、星像も良く、期待した写りとなってくれましたので、
後日、RGB画像を撮影しました。
月が沈むのを待って、夜半過ぎからR,G,Bの順で撮影を行ったのですが、
R画像には、月の明かりの影響が少し残ってしまい、それを取り除くのに苦労しました。

二日とも天気が良く、大気が安定しており、最高の条件の中、撮影できました。

イメージ 1

2016年2月11日 0時28分~
Orion 25㎝ F4.6 with Paracorr2
SX-814 (-30T)
L:  5m x 20    
R: 10m x 4,  G: 10m x 3,  B: 10m x 4
ALL 1bin








天体写真を始めてから、長いこと憧れていたM83を遂に撮影できるチャンスが来ました。
阿智の星見小屋では、南の低空の光害が激しいので、撮影を諦めたいたのですが、
下條で撮影できることが分かりました。

M83は低空であるために、長時間撮影をする場所を探すのが大変です。
さらに、長焦点なので風に弱く、山の上では無理です。
下條のとある場所は、これらの条件を満たしてくれる良いところです。

先ずは、テスト撮影ということで、L画像を1時間撮影してみましたが、
十分な写りであったので、後日、RGB画像を3時間かけてたっぷりと
撮影しました。

二晩とも低空の透明度もよく、大気も安定していたので、
幸いに、納得のいく画像を取得することができました。

先ずは、簡単にLRGB処理した画像を掲載いたします。

イメージ 1

2016年2月11日 4時14分~
Orion 25㎝ F4.6 with Paracorr2
SX-814 (-30T)
L:  5m x 11    
R: 10m x 7,  G: 10m x 5,  B: 10m x 7
ALL 1bin
 







おおいぬ座にある、トールのヘルメット星雲は、以前から撮影したい対象でした。
L画像、Ha画像それぞれ、違う望遠鏡で撮影していたのですが、
星見小屋では、南天の低空が外灯の明かりでRGB画像が悪く、カラー化までいたりませんでした。

そこで、今回は、遠征を行い、初めてのカラー化となりました。
望遠鏡もこの対象を考えてニュートンの導入となった訳です。

Ha画像をL画像として処理し、RGB画像は最初2binで撮影したのですが、
合成してみると星像や色が悪く、結局、1binで撮影をやり直しました。

処理としては、RGBの合成により色合いを決定し、デジタル現像を行い、
その画像をモノクロ化して、それに合わせるようにHa画像を処理してデジタル現像を
行い、両者でLRGB合成しています。

イメージ 1

2016年2月2日 19時41分
Orion 25㎝ F4.6 with Paracorr2
SX-814 (-30T)
Ha: 10 m x 11   
R:  10 m x 16,  G: 10 m x 8,  B: 10 m x 7 
(All 1bin)


春の銀河を楽しむことができる時期となりました。
そこで、2月に入って早速、下條村に撮影に行きました。
今回は、昨年導入した25cmニュートンを使用しました。
これまで、何度も調整しているのですが、光軸調整がようやく決まり、
星像も良くなってきましたので、実践導入となりました。

ところが、どうしてもフラット画像が綺麗な同心円とならず、あれこれと
調整していたのですが、結局、斜鏡の大きさと形に問題があるとの
結論に達して、このままでフラット補正をすることとなりました。

先ずは、NGC4725 環状銀河です。
昨年、μ250CRS で撮影を試みて、オフアキでガイド星が見つからず
諦めた因縁の銀河です。
今回は、焦点距離が1150mmとあって、ガイド星が直ぐに見つかり
撮影ができました。
遠征の初日は、2時間でL画像を撮影して月が出てアウト、後日、L画像とRGB画像を撮影、
更に後日、Ha画像とR画像を加えて、全部で3日間を要しました。

左の小さな銀河の構造も大変に興味深いです。

イメージ 1

2016年2月3日 0時14分
Orion 25㎝ F4.6 with Paracorr2
SX-814 (-30T)
L:  5m x 46   
Ha: 5m x 8,  R: 5 mx 16,  G: 5m x 8,  B: 5m x 10  (2bin)


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