2018年01月

本年、最初に撮影をして、その後、再度撮影を行ったふくろう星雲を掲載します。

段戸山牧場で、HαとRGBを撮影し、後日、下條村でOⅢとSⅡを撮影しました。
やはり段戸山牧場は、明るく、カブリ補正に苦労しました。

撮影の目的は、星雲周囲のハローを写し出すことでしたので、
特にOⅢを1枚30分かけて撮影をしました。
それに対してHαとSⅡは1枚20分としました。
ナローバンドにおいては、OⅢ輝線が最も良く写り、次にHα輝線、そしてSⅡにおいては
微かに写る程度でした。
また、SⅡ画像撮影中に雲の通過があって、良い画像を十分に得ることが出来なかったので
画像処理には使わないことにしました。

そこで、R画像をHα(50%)+R, G画像をOⅢ(30%)+G, B画像をOⅢ(50%)+B
として処理しRGB画像を合成し、それをモノクロ化してL画像として
LRGB画像としました。

星雲周囲のハローは、淡すぎて、今回の撮影では、明瞭に出すことは出来ませんでしたが、
極薄く見えているようです。

イメージ 1

撮影日: 2018年1月11日、18日
μ250CRS with RD
SX-814 (-30℃)
EM400  Lodestar X2
Hα:  20m x 8
OⅢ: 30m x 6
RGB:  10m x 2

本年最初の遠征を、11日に行うことができました。
当日は、真冬の寒波がやってきていて、長野の峠は昼でも氷点下7度、
しかも、夜は曇りの予報でしたので、比較的暖かく、晴れの予報の段戸山牧場に行きました。

それでも、夕方到着した時は、氷点下2度、弱い風もありました。
しかし、天気は予報通り、朝まで快晴で、朝の気温は氷点下10度まで下がりました。

撮影は、夜半までおおいぬ座の衝突銀河、その後、M97ふくろう星雲を撮影することができました。
今回は、衝突銀河の方を掲載します。
おおいぬ座の衝突銀河は、小さく、さらにシリウスの東にあって低空なので、撮影対象としては
あまり選ばれないのですが、その姿が魅力的で、戌年ということもあって、挑戦してみました。

幸い、シーイング、透明度とも良く、風も弱まり、予定していた撮影を行うことができました。
最初に、L画像を撮影し、南中前から、RGB画像としました。
この場所は、西方向が、名古屋の灯りで影響を受けるため、南中過ぎからは
撮影を避けたいところです。

写真では、右にNGC2207, 左にIC2163となります。
両者の銀河の色の違いが分かり、IC2163がNGC2207に引き込まれているように見えています。
文献によれば、衝突の初期の段階とのことです。


イメージ 1

撮影時刻 2018年1月11日 
μ250CRS with RD
SX-814 (-30℃)
EM400  Lodestar X2
L:  10m x10
RGB:  5m x 6 (2bin)



昨年末、下條村で撮影したばら星雲を仕上げてみました。
これが、昨年、最後に撮影したものとなります。
メジャーな対象だけに、撮影方法を色々と考えましたが、
まだ、ナローでは撮影していなかったことに気づいて、
特に、中心部分を狙って撮影を行いました。

最初、Hαフィルターで20分間撮影をしたのですが、強く写り過ぎていたので
15分間撮影としました。
水素輝線の強い星雲であることを改めて認識しました。
SⅡとOⅢフィルターでの撮影は、いつも通り、20分間としました。
Hαの撮影枚数を増やしたことで、全体に滑らかな仕上がりとすることができました。

SⅡとOⅢは、それぞれ、6枚の撮影予定でしたが、薄雲の通過で、各4枚となりましたが、
酸素輝線が強い、星雲中心付近の青色が良く出てくれました。


イメージ 1

撮影日: 2017年12月25日
TAKAHASHI TOA-130NS with RD
Starlight Xpress Trius SX-814
SⅡ: 1200s x 4 
Hα : 900s x 11
OⅢ:  1200s x 4  (all 1bin)
EM-400 Guide Camera: Lodestar

星ナビの2018年2月号にかに星雲M1を掲載して頂きました。
カラフルなかに星雲で、これまでの赤いイメージとは離れ過ぎていて、
入選は難しいかなとも思っていたのですが、どうにか誌面で見ることができて
良かったです。

前回のくらげ星雲が、望遠鏡の焦点距離が255mmでしたが、今回は1825mmと
一気に7倍となり、同じナローバンドの作品ですが、
全く違った写りとなりました。

コメントに書かれているように、良い解像に助けられたようです。
ナローバンドは、いつもカラーシフトの問題で悩むのですが、
かに星雲は、硫黄、水素、酸素の輝線がどれも良く写るので、
その特徴が分かるように、ほとんどカラーシフトしないものと
したのですが、それも評価されたようです。

今回の星ナビは、星雲・銀河の作品がどれも素晴らしく、
ただただ圧倒されてしまい、漸く最後の開きで、自分の作品と出会うことができて
嬉しいやら、恥ずかしいやらの気持ちでした。


投稿した写真を掲載します。

イメージ 1

あけましておめでとうございます。
今年のお正月は、満月期となり、遠征ができないので、
どこにも出かけることなく、ゆっくりと慣れない翻訳の仕事(?)をしておりました。
その合間に、昨年末撮影した画像を処理していました。

先ずは、先にモノクロで掲載した勾玉星雲周辺の写真からです。
Hαフィルターで撮影した後、LRGBフィルターで撮影をしていましたので
カラー化してみました。
L画像をHα: 90%  L: 10% として、HαRGB画像と合成しました。
後日、SAO合成を予定していますので、そのテスト撮影のつもりですが、
さて、どうなりますか。


イメージ 1

撮影日時 2017年12月19日・25日

FSQ85ED with RD
 EM-11   GT-40  Lodestar
QHY16200A
L: 300 x 7
RGB: 600  x  3
ALL 1bin

次に、勾玉星雲の写真です。
これは、星見小屋で上の写真と同時に撮影していたものです。
SⅡ、Hα、OⅢフィルターで撮影し、SAO合成をしてみましたが、
黄色主体の画像となり、色の変化も乏しく、仕上げる気力を失い、合成方法を変えてみました。
Rを Hα: 80%、SⅡ: 20%
Gを O: 100%
Bを O: 90%、 Hα: 10%
としてRGB合成し、RをL画像として、LRGB合成してみました。


イメージ 2

撮影日: 2017年12月18日・19日
TAKAHASHI TOA-130NS with RD
Starlight Xpress Trius SX-814
SⅡ: 1200s x 9 
Hα : 1200s x 11
OⅢ:  1200s x 9  (all 1bin)
EM-400 Guide Camera: Lodestar

この様な訳で、一年の初めは、勾玉星雲にはまってしまいました。

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