2018年05月

西日本は梅雨入り、5月も終わろうとしています。
今月の一番の撮影対象であった、M16イーグル星雲の創造の柱、
下條村のいつもの場所に、3回遠征をして、ようやく仕上がってきました。

M16の中心部は、水素輝線が強いので、比較的短い撮影時間で
写りますが、酸素輝線、そして硫黄輝線はかなり弱いので、撮影時間を
長くすることを考えました。
そこで、1枚あたりHαを15分、OⅢを20分、SⅡを30分として撮影しました。

HαデータをL画像としていますが、最初8枚のデータで処理したところ、
画像が粗いために、さらに6枚を加えて14枚としました。

SⅡデータはR画像としていますが、写りが弱いので、こちらも6枚から
更に6枚を追加し、12枚としました。
その結果、創造の柱の下部から左のドラゴンヘッドまでの領域の写りが鮮やかになりました。

OⅢデータは、6枚ですが、新月期に撮影できたので、写りも良く、創造の柱周辺部の青色が
良く出てくれました。

画像処理は、SAO画像とA画像からASAO画像を仕上げています。


イメージ 1

撮影日: 2018年5月4日、14日、24日
μ250CRS with RD
SX-814 (-20℃)
EM400  LodestarX2
Ha:  15m x14
SⅡ:  30m x 12
OⅢ:  20m x 6
all 1bin

5月の初めに遠征して、撮影していたソンブレロ銀河M104ですが、
仕上げることができました。

当日は、月が現れるまで、L画像の撮影をして終了。
撮影時間は、1枚5分間と10分間、それぞれ撮影し、画像処理してみましたが、
5分間の方が細部が良く写っていました。
銀河全体の広がりを捉えるために、両者を加算しています。
さらに、銀河内部の白飛びを抑えるために、1分間の撮影も加えました。

後日、RGB画像を撮影しましたが、午後9時頃からの撮影で、空には明るさが
残っている状況でした。
細部を詳細に写し出すことを考えて、1bin の10分間撮影としました。
RGB画像を処理してみると、ほぼ期待していた色が出てくれたので、
LRGB処理をして仕上げました。

両日ともシーイングがよく、拡大に耐える画像を得ることができました。

イメージ 1

撮影日: 2018年5月4日 、14日
下條村ひさわ地区にて

μ250CRS with RD
SX-814 (-30℃)
EM400  Lodestar X2
L:  1m x 12,  5m  x  6,  10m x 12  
R:  10m  x 4,  G:  10m x 4,  B: 10m x 4


昨年8月に、阿智村で進めている「星の駅」構想について報告をしました。

それからしばらく経ちましたが、今年の7月オープンとのことで、工事も進んでいる話を聞いたので、
どの程度出来ているのかを見たくて、現地に立ち寄りました。

星の駅は、観測・撮影ベースの建物と、その近くの公園からなりますが、
建物の方は、ほぼ出来ているようで、建物の周囲の広場の工事が行われていました。
この広場で、天体観測ができるように、現在整備がなされています。
建物の内部は、入ることができなかったので、外から眺めたのですが、
かなりしっかりとした造りになっていました。

公園内には、天体観測ができるスペースが出来ていました。
今回は、そのスペースが興味深かったので、詳しく報告します。
2段のスペースで、1段には、望遠鏡を設置できる場所が5箇所あり、
全体で、10箇所となります。
各箇所の土台はしっかりと作られており、100V電源のコンセントがあります。
階段脇には、フットライトも付けられています。
ここまで、機材をリヤカーで運ぶと聞いていますが、星の駅からの建物からですと、
数百メートルはあるでしょうか。

北方向は、視界が開けていますが、南方向が林であるのが残念です。
また、下の国道を通る車のライトや、自販機の灯りが影響ないか、気になるところです。

家族や、団体で来て、天体観測や、天体写真の撮影を安心してできる施設となれば
利用価値は高いと思います。
施設の利用は有料となるでしょうから、どの程度の金額となるかも重要ですね。


イメージ 1

公園内の天体観測スペース


イメージ 2

フットライトも設置されている


イメージ 3

南方向には、社の松の木が立つ


イメージ 4

星の駅の建物と観測広場


イメージ 5




3月中旬に投稿していたM61ですが、星ナビ6月号に掲載して頂きました。
投稿はこれだけだったので、期待はしていなかったのですが、
どうにか、誌上において見ることができました。

しかし、今回は投稿してから、びっくりでした。
応募用紙の望遠鏡名を書き忘れたいたからです。
幸い、口径、焦点距離、レデュサー名は書いてあったので、
これまでの私の掲載データから、望遠鏡名を書いて頂きました。
編集者には、ご迷惑をお掛けしたことと思い、反省しています(汗)。

さて、選者のコメントから分かるように、採用された理由は、
三つの銀河の構図が良かったようです。
確かに、これが私も気に入って、この銀河を撮影した動機でした。

今回、L画像は光害カットフィルターを使っているのと、枚数がさほど多くないために、
粗い感じを与えているようです。
銀河の色については、本当に悩みました。
実は、赤系の強いバージョンもあったのですが、
最後まで悩んで、結局、青系の強いバージョンを送りました。
この辺りは、主観的な要素が強いのかとも思いますが、
今後の課題としておきます。

投稿した写真を掲載します。

イメージ 1

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