2018年07月

8月発行のRAT36テーマが「宇宙」ということで、その表紙の写真を提供しました。
昨年、12月に撮影したバラ星雲です。
こちらでは、お馴染みのナローバンド撮影によるSAO合成画像です。
夏の暑い時期、青い薔薇星雲は、涼しく感じて良いのではないでしょうか。
表紙は、写真が縦長となりますので、このバラ星雲は、北方向が左側になっています。
イラスト写真ということでご理解下さい。

さて、裏表紙はどんな天体写真とするか、現在検討中です。
表紙に合わせて、やはりナローバンドの星雲とするか、
それともブロードバンドによる系外銀河とするか、悩むところです。

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7月に入って、豪雨が過ぎ、酷暑が続く日が続いていますが、
都会の暑さから逃れるように、岐阜と長野に遠征に出かけました。

岐阜では、高鷲SPで、午後9時から撮影を開始、しかし一晩中
気温が20度を越えており、CCDカメラの冷却温度は-20度に達しませんでした。
最初、OⅢフィルターで撮影し、その後、SⅡフィルターの予定でしたが、
SⅡで1枚撮影した後、曇ってしまい、結局、OⅢ画像だけの撮影となりました。

後日、長野のあららぎ高原では、一晩快晴に恵まれ、気温も20度以下となり、
SⅡフィルターとHαフィルターでの撮影を行うことができました。

今回の撮影は、白鳥座のペリカン星雲の頭部あたり(IC5070)をナローバンド撮影しました。
画像処理は、SAO画像とA画像を合成しています。
この領域は、どの画像も比較的良く写ってくれるので、画像処理が楽な対象であると感じました。

ペリカン星雲の中では、最もHαが強い部分で、尾根状に伸びているところにあたりますが、
今回は、富士山構図をイメージして撮影領域を決めました。
ここを境に、東側は硫黄輝線が強く、西側は酸素輝線が強いので、
写真では、赤い部分と青い部分の領域に分けられています。
また、尾根状部分のガスの特徴的な広がりも明瞭に写ってくれました。

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撮影日 2018年7月18日、23日

TAKAHASHI TOA-130NS with RD
Starlight Xpress Trius SX-814
SⅡ: 1200s x 8 
Hα : 1200s x 9
OⅢ:  1200s x 8  (all 1bin)
EM-400 Guide Camera: Lodestar x2



6月に遠征して、撮影していた画像を漸く仕上げることができました。
淡いので有名は、ケフェウス座のフライングバット星雲に内部にあるイカを
狙ってみました。
遠征地でOⅢフィルターにて2binの15分でもイカの姿が見えず、
30分でどうにか薄っすらと見えてくるほどの淡さには驚きました。
この淡さでは無理と考え、撮影を止めようかと思いましたが、
空の条件が非常に良かったので、結局撮影を行いました。
Hα画像も淡いのですが、こちらは1binの15分でフライングバット星雲の輪郭が
しっかりと写りました。
RGB画像は、当然ですが、全くイカの姿は写っていません。
遠征の初日はHαとOⅢ、二回目はRGBとOⅢ、三回目はHαを撮影して
これで6月は終わってしまいました。

画像処理は、Hα+R、OⅢ+G、OⅢ+B をRGB合成しています。
OⅢ画像でイカを炙り出す処理をしているために、非常に粗い画像と
なりました。 
さらにHα画像でも星雲内部をはっきりさせるために強めの処理をしているので
粗目の画像で、これらを合成しているために、処理に苦労しました。
色々と不満の残る画像ですが、ともかくイカが写ってくれたことで、
この辺りで良しとしました。


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撮影日時 2018年6月12日、21日、25日、
FS60CB with RD
SX-814 (-20T)
Hα: 900s x 16
OⅢ:  900s x  5、 1800s x 4
R: 600s x 4,  G: 600s x 4, B: 600s x 4

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