前回、掲載した岩本彗星とNGC2903の接近の写真ですが、
今回は、10枚を合成して、仕上げてみました。
行った作業をメモするために、詳しく書いていきます。
1枚、4分間の撮影でしたので、10枚は40分間となります。
途中、雲の通過もなく、良い条件でした。
さて、初めに、SIでダーク・フラット処理した10枚を恒星基準で
加算平均(σ)により、σ=1.1にて合成しました。
σを使った理由は、人工衛星を除くことと、彗星の核の輝度を下げるためです。
これで、後で彗星を消す作業を楽になります。
次に、彗星核基準で加算平均(σ)により、σ=2.0にて合成しました。
これにより、恒星はほぼ消えて、彗星のみの画像となります。
PSに移って、彗星のみの画像の残っている恒星をスポット修正ブラシツールで
消して、完全に彗星だけの画像を仕上げました。
それから、恒星基準の画像を開いて、今度は彗星を同じくスポット修正ブラシツールで
消して、恒星と星雲の画像を仕上げます。
両者をカラー比較(明)にて合成します。
この時、彗星の位置をどこに置くか問題となります。
今回は、彗星の動きが早く、40分間でも明らかな核の動きが写っていることから、
核の軌跡の中央に位置するところに、スクロールを使って核を移動させています。
あとは、レベル補正、トーンカーブを使って仕上げました。
従って、この写真は、科学的に見た場合、彗星の位置は3時47分頃となります。
2019年2月14日 3時27分~4時5分