2021年06月

二か月に一度発行のRATですが、編集長からRAT53のテーマを
決めて下さいとの依頼がありました。
そこで、今回のRAT53のテーマ「星」は私が決めさせて頂きました。
以前、RAT36においてテーマを「宇宙」としましたが、それ以来2度目のテーマ
担当となった分けです。
さらに、表紙も裏表紙も天体写真が飾ることとなりました。
表紙の写真は、「さそり座のアンタレス付近の星雲と星団」で、4月に
しらびそ遠征で撮影したものです。
裏表紙の写真は、「りょうけん座の球状星団M3」としました。

テーマが「星」ということで、投稿された皆さんの星についての話も
興味深く、とても楽しい号になっています。
お読みになりたい方がおられましたら、お知らせ下さい。
無料にてお送り致します。


RAT-53-A-A


RAT-53-B-M3

南天のさそり座にあるNGC6334、 日本では出目金星雲の名前の方が知られていますが
海外では猫の足星雲(Cat's Paw Nebula) と呼ばれています。
前のものが猫の目星雲(Cat's Eye Nebula) でしたので、それに合わせて猫の目星雲とします。

当日は、梅雨の中とは思えないほど晴れ渡り、透明度も良く、風もなく、南の低空の
靄もなく、最高の撮影状況でした。

最初に、M83を撮影し、その後でNGC6334を撮影しました。
初めての撮影対象で、予想していたよりも大きな星雲でその全体像を収めることは
できませんでしたが、猫の足の指辺りを撮影することができました。
良好なHα画像を得るこができたので、OⅢ撮影を期待しているのですが、
低空が晴れて撮影できるチャンスがなかなかやってきません。
そこで先ずは、Hαによるモノクロ画像を掲載します。

CFT-A12CRD-ps-nik-si

撮影日 2021年5月30日
撮影地 長野県阿智村浪合
  Orion 25cm F4 with Paracorr2 (f4.6)
  SX-814(-30d)
 Ha: 15min x 12

梅雨の中ですが、貴重な晴れ間に遠征をすることができました。
初日は、阿智村の星見小屋で猫の目星雲の撮影を始めたのですが、
薄雲に覆われて良い条件ではありませんでした。
それで、二日目に阿智村浪合に行き、薄明終わり頃から、翌日の
薄明開始近くまでしっかりと撮影を行うことができました。
今回は、猫の目星雲の本体とその周りの淡い部分の両方を写し出すことを
目的としてAOO合成しました。

猫の目本体は、60秒、30秒、20秒で撮影したのですが、20秒が色合いも
内部構造も良く出てくれました。

傍にある系外銀河NGC6552は、AOO合成では良く写らないので、
以前撮影したLRGBデータを使用しています。
その結果、銀河と恒星はLRGB画像、猫の目星雲はAOO画像としました。

CATE-best2


撮影日: 2021年6月7日、8日
撮影地: 長野県阿智村浪合
   μ250CRS with RD
   SX-814(-20d)
   Ha: 15m x 20,   20s x 20
   OⅢ: 15m x 22,   20s x 20
   L: 10m x 12
   R: 5m x 6,  G: 5m x 5,  B: 5m x 8 (2bin)

だいぶ 間があいてしまいましたが、本年2回目のしらびそ遠征の成果として
掲載をします。
本命の対象であった、M63ひまわり銀河です。
遠征前に、阿智村でM63のL画像を撮影していたのですが、
銀河周辺部の広がりを捉えることを目的として、
空が暗く透明度の高いしらびそに行くこととしました。
薄明が終わっても、風が治まらず、しばらく待って
どうにか弱くなった頃から撮影を開始しました。
しかし、時折強く吹く風によって、3割程度使用できない
画像が生じましたが、なんとか画像処理を行うことができました。

銀河本体と周辺部との輝度差が大きいので、処理苦労しましたが、
それでも、どうにか周辺部の淡い広がりを捉えることができました。
後日、再処理をしたいと思っています。


M63-L24CRM-D-2-RAGB-2si-ps-si

撮影日: 2021年5月3日、9日
撮影地: 阿智村浪合、しらびそ高原
 ε-160ED
    SX-814(-30d) 
   L: 15m x 24
   Ha: 20m x 6
   RGB: 10m x 4

5月に梅雨入りとなり、26日の皆既月食は期待外れで、
皆既が終わってからの部分月食をなんとか見ることができた程度でした。
ところが、月末に快晴となり、皆既月食の雪辱を果たす気持ちで
遠征を行いました。

当日は、南の低空の透明度が非常に良く、月が昇るまでは、M83のL画像を
撮影することができました。
その後は、ナローバンドで更に低空の散光星雲を撮影しました。

ここでは、昨年撮影したM83のデータに今回のL画像を加えて再処理した
画像を掲載します。
L画像のデータが2倍に増加したので解像度も増したようです。


M83-L68-RAGB-HOSHINABI2

撮影日 2021年5月30日
撮影地 長野県阿智村浪合
  Orion 25cm F4 with Paracorr2 (f4.6)
  SX-814(-30d)
  L: 5min x 68
  RGB: 5min x 10 (2bin)
 Ha: 10min x 11 (2bin)


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