2023年07月

東海地域も梅雨が明けて、厳しい暑さの日が続いています。
先日、長野での仕事を終えて、夕方から近くの撮影場所に行くことができました。
到着時は、曇りでしたが、10時頃から晴れ始めてきたので、準備を開始。
当初撮影の対象としていた天体を導入してみると、あまりの大きさで、
一部しか写らないことが分かり、急遽、撮影対象を変更。
以前から気になっていた、ペガスス座の惑星状星雲としました。
Jones1 という名が付けられていますが、番号はPK104-29.1のようです。

初めての対象であったので、どの程度写るか心配でしたが、OⅢフィルターにて
良く写る対象であること、それに比べてHαフィルターの写りが弱いことが
分かりました。

画像処理は、AOO合成ですが、輝度画像はAO画像を使用しています。
青い星雲の直ぐ下に小さな赤い星雲が写っていますが、
同じ起源のものと思います。
宇宙の暗闇の中を青く光って漂っているような異様な雰囲気の天体に
引き付けられています。

JS1-A30O70-AOO-pssi

撮影日: 2023年7月25日
撮影地: 長野県下条村
Orion 25cm with Paracorr2 (f4.6)
SX-814 (-20d)
Ha :  900s x 6
OⅢ: 900s x 8






梅雨の晴れ間を狙って、何度か撮影に行くことができました。
撮影対象は、以前から考えていたチューリップ星雲です。
これまで、ナローバンドによるAOO合成から作品として
仕上げていたのですが、よりカラフルな作品を期待してSAO合成
を目指しました。
初日は、月の明かりがあったのでHaとし、翌日にSⅡとOⅢを
撮影しました。
さらに、後日、新月期に再度SⅡとOⅢの撮影を行っております。
Ha画像は良く写るので、通常の撮影を行い、
写りの弱いSⅡとOⅢに対してはたっぷりと時間をかけることにしました。

画像処理は、Ha画像を輝度画像としSAO画像のカラー画像と
合成をしています。
星雲中心部の青と星雲周辺部の赤を写し出すことができ、目指していた
カラフルな作品となったように思います。

TL-A12-S20-A12-O21-R3-TDpssi-nik-Tps-vz-si-PSsi


撮影日  2023年7月10日、11日、16日
撮影地  長野県阿智村伍和 星見小屋
Orion 25cm with Paracorr2 (F4.6)
SX-814(-20d)
Ha:  900s x 12
SⅡ: 900s x 20
OⅢ: 900s x 21
ALL one bin

あまり期待はしていなかったのですが、月刊星ナビ8月号のギャラリーに
「さそり座 NGC6334」が掲載となりました。
この作品は、タイトルをどうするかで少し悩んだことを覚えています。
日本では出目金星雲と呼ばれていますが、海外では別名がありますので
結局、星雲名を付けないことにしました。

まずは、二晩、低空の透明度が良好な状況で撮影できたことが幸いでした。
それと、SAO合成において、出来るだけブロードバンドの色合いに
近づけるように苦労して処理したことも良かったようです。

「この領域を捉えたこれまでの最高レベルの作品です。」とのコメントを
を頂き、ただただ恐縮しております。

投稿した画像を掲載します。


6334-A11-S8A11O6-D2-ps-nik2-si-ps2-si-ps_r-rgb-ps-si-ps2

梅雨の一休み、貴重な晴れ間ですが、生憎 満月と重なりました。
それで、これまでの撮影画像を見直していますが、
本年3月から撮影を続けていたM63ひまわり銀河を漸く掲載します。
3月の新月期に星見小屋でL画像を撮影し、続いて、月明かりのもとでHa画像を
撮影していたのですが、他の対象に興味が向いてしばらく放置。

5月の新月期に遠征してRGB画像の撮影を終えました。

L画像の撮影時が最もシーイングが良く、銀河の細部を明瞭に写し出すことができました。


M63-L60C-RAGB-ps-BM-si-ps2-S



撮影日: 2023年3月20日、3月28日、5月16日
撮影地: 長野県阿智村伍和、浪合
Orion 25cm F4 with Paracorr2 (F4.6)
SX-814 (-30d)
L: 5min x 60
RGB: 10min x 6
Ha: 15min x 12





梅雨の中で、しばらく遠征もできずにいます。
そのために6月はブログの更新することなく、7月に入ってしまいましたが、
先週にRATの65号が届きましたので、報告致します。

今回のRATのテーマは私が決めた「月」ということで、
表紙の担当もすることになりました。
これまで2回、表紙を担当していますので、今回で3回目となります。

まずは、その表紙ですが、昨年9月10日に撮影した中秋の名月です。
これについては、既にこのブログで紹介しておりますので
説明は省きます。

RAT65-front



次にいつもの裏表紙ですが、こちらも昨年撮影した皆既月食です。
聖書における月食の記述に注目して「輝かしい日」という副題を
付けております。
地球の影に入る月から、死の影の中に入るわたしたち人間のことを
連想して書いてみました。

さて、次号のテーマは「酒」です。
聖書は酒に関係する記述が多いのですが、
天体はどうでしょうか?

RAT65-back



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