2024年10月

彗星祭りの様相を呈した一ヶ月でしたが、そろそろ終わりに近づいたようです。
まだ、遠征の成果が報告できていませんが、この間にRAT73号が届きましたので、
こちらの掲載を致します。

今回のテーマは「虫」なのですが、そのテーマにぴったしの天体写真がありました。
ぎょうしゃ座のクモ星雲とハエ星雲です。
両者を捉えた写真があったので、それを掲載しました。
この写真は、二つの星雲を別々に撮影し、合成したもので、
撮影に時間を要し、画像処理においては何回も手直しをしましたので
思い出深い作品となっています。
それを紙面で見ると、当時の苦労が浮かんできます。

さて、次回のRATのテーマは「道具」です。
天体観測、写真撮影といえば天体望遠鏡が取り上げられますので、
それに触れようと考えています。


RAT-73

先月末から、撮影を続けています、紫金山・アトラス彗星ですが、
漸く、暗い空において現れるようになってきましたので、遠征を行いました。
当日は、午後まで仕事があったので、終了後直ちに、長野方面に向かって
出発をしました。
天気予報では、長野の北に行くほど晴れている可能性が高いのですが、
時間がなく遠くまではいけないので、伊那谷の陣馬形山としました。
始めての遠征地であり、しかも到着は暗闇の中とあって、広い駐車場に
着いたものの山頂まで登っていくことを諦めました。

風もあり、雲に覆われ、既に彗星の見える時間になっていたので、
その駐車場の隅に機材を設定することができました。

薄明終わりの6時半を過ぎても雲は去らず、いまかいまかと待っていると
徐々に雲が去り、星が見えてきました。
幸い北極星も見えて、極軸合わせもでき、月が昇るころから撮影ができました。
35mmのカメラレンズで固定撮影、105mmのカメラレンズは赤道儀により
追尾撮影としました。
彗星は月の明かりのために、肉眼では見えませんでした。
彗星を撮影できている間も、終始薄雲の通過があり、その影響が写真に
出ています。

JINBA2ps

月明かりに照らされた中央アルプスと紫金山・アトラス彗星

撮影時刻 10月20日 午後7時7分~
SAMYANG 35mm F2.8
D750  ISO1600
10s x 10
NXStudio Sequator Photoshop2024



SA_15CFL_r_rgb_ABE-pssi

球状星団M12(左端)に接近した紫金山・アトラス彗星彗星

撮影時刻  10月20日 午後6時59分~
SIGMA105mm F2.8
D810A ISO1600
20s x 15 
EM-11TEMMA2   
StellaImage9, Photoshop2024
トレミング有

伊吹山に彗星撮影に行った翌日、仕事で長野に行きました。
その帰り、西の空には雲が出ていたのですが、平谷高原に立ち寄ってみました。
すでに、数台の車が駐車しており、彗星狙いの三脚も立ち並んでいましたが、
偶然にも星友と出会い、その列の端に入れて頂きました。

夕日が沈んだ頃は、青空も広がり期待できたのですが、だんだんと黒い雲に覆われてしまい、
金星も見えない状態となりました。
午後6時を過ぎたので、諦めて帰ろうかと考えていたのですが、突然 金星が見えはじめ、
彗星がいる付近の雲も抜けてきたので、撮影を始めてみると彗星の尾が写りました。
それから、肉眼で彗星を見ることもできました。
昨日よりも彗星の尾が長くなっていることを予想して、撮影は85mmレンズとしたのですが、
長く伸びた尾は、縦構図の画角(28度)の半分近くに達しそうでした。

生憎、彗星の尾の一部が雲に隠れてしまっていましたが、それも風情があって良い感じとなっています。



TAKAMINEps2si

撮影時刻 10月14日 午後6時32分
SAMYANG 85mm F2.8
D750  ISO800
2S x 10
NXStudio  Sequator Photoshop2024

紫金山・アトラス彗星が夕方の空に見えるようになってきましたので、
遠征に行ってきました。
場所は、比較的近く、標高の高いところを考えて、伊吹山としました。
幸いにも、その日は、ドライヴウェイの営業時間が21時までとなっており、
天気予報も良く、撮影地と決めました。

現地に到着し、良い撮影場所も確保でき、200mm望遠鏡と105mmカメラレンズの2台体制としました。
夕日が沈んでから、暗くなったころからカメラでその存在が確認できました。
予想よりも彗星の高度が高く、琵琶湖を入れるために、慌てて105mmを縦構図にしました。
暫くすると、彗星の尾が肉眼で見えはじめ、その長さは10度程であったように思います。
久しぶりに彗星の尾が見えて、感動しました。

西の空には、低空に筋状の雲がわずかにあるだけで、彗星の全体を地平線近くまで
捉えることができました。

200mmで撮影した画像には、彗星核から下に別の尾が伸びているようであり、
アンチテールかと思われます。


IBUK2pssips

撮影時刻 10月13日 午後6時22分
シグマ105mm F2.8
D750  ISO800
2S x 5
NXStudio  Sequator  Photoshop2024


3588-3601-14Csips


撮影時刻 10月13日 午後6時28分
BORG55FL+7880 200mm F3.6
D810A   ISO1600
2S x 14
Stellaimage9   Photoshop2024







先に、カメラレンズによる紫金山・アトラス彗星の写真を掲載しましたので、
今回は、望遠鏡による彗星の写真となります。
自動導入のお陰で、彗星が見え始めてから、空が明るくなるまで、
撮影をすることができたのですが、初めのころは薄雲の中に彗星があり、
彗星が雲から抜けたころには、核と尾が少しだけ写っている状態でした。
それで、彗星の長い尾がしっかりと写り、
彗星の核も雲が薄い状況の中で撮影できた写真を掲載します。


38-39-40-C-SI-ps

撮影時刻: 2024年10月1日 午前4時39分~
TOA130NS with RD
D810A (ISO320)
2s x 3
NXstudio, Stellaimage9, Photoshop2024
APSサイズにトレミング

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