2024年12月

本年、最後の投稿となります。
先週末、RAT74号が届きましたので、忘れないように今年中に掲載します。
今年の撮影対象は、これまでの銀河・星雲中心から、星団さらには星景までと範囲を広げることができました。
その中で、久しぶりにアンドロメダ座のM31を撮影してみました。
強力な画像処理ソフトのお陰で、納得のいく天体写真を得ることができましたので、
RAT74に載せることとしました。
今回のRATのテーマは「私の道具」でしたので、迷わずに天体望遠鏡としました。
天体望遠鏡を手にして、最初に撮影する銀河の対象は、多くの人がM31であることを
考えると、このテーマに一致した写真だと言えます。

これで、今年も6回のRATの裏表紙を担当することができました。
来年も継続していくことができればと願っています。

新しい年も宇宙に目を向けながら地上の歩みを続けられるようにと祈ります。

RAT74



12月25日クリスマスに所用があって南信州に行きました。
天気予報は曇りで、期待していなかったのですが、午後7時頃から星が見えはじめ、
8時を過ぎると木星と火星の輝きが増してきました。
それで、急に思い立って、下条村のいつもの場所に冬の超大三角を撮影に行くことにしました。

ここの場所の目印となっている二本の木を入れて、冬の超大三角が撮影できる場所を探したのですが、
直ぐに良いところが見つかり、撮影を始めることができました。

数十分くらいすると、西からの雲に覆われてしまい、撮影は終了。
それでも、ほぼ期待通りの撮影を行うことができました。
これも、私にとっての天からのクリスマスプレゼントです。

DSC_4325pssi

12月25日  22時01分
D810A ISO4000
NIKKOR  14-24mm   f2.8
14mm  f2.8   LEE Soft3 filter   
20秒 1枚撮り 
Photoshop 2024 






メリークリスマス
「いと高きところには栄光、神にあれ、
 地には平和、御心に適う人にあれ。」 ルカによる福音書2章14節
天の神様からの贈り物が皆様の上に豊かにありますようにと祈ります。

さて、数年来、撮影を続けてきましたM63「ひまわり銀河」ですが、
漸く、一枚の作品として仕上げることができました。
これまで、銀河の周辺部の淡いハローを写し出そうと撮影を行っていたのですが、
PixInsightを使用することによってハローは明瞭になった一方、銀河内部の
構造が不鮮明となっていました。
そこで、思いついた方法が銀河内部を精密に撮影した画像を使用することです。
銀河内部の画像は焦点距離の長い反射鏡筒を使用しています。
一方、銀河周辺部の画像は、同じCCDモノクロカメラで焦点距離の短い反射鏡筒からのものです。

銀河周辺部の画像をベースにして、銀河本体部分を銀河内部の精密画像に置き換えています。
どちらの画像も反射鏡筒を使用していますので、星の光条が一致しています。
これによって、銀河周辺のハローと銀河内部の両方を見ることができます。

2年間、20時間の撮影データからの作品が出来上がりました。
私にとっての良いクリスマスプレゼントです。

M63_LRGB2_CS_HDRM_LHE_CT_NXT_PS_SI-3

撮影日  2021年5月3日、9日  2023年3月20日、28日
撮影場所 飯田市しらびそ高原、阿智村浪合
銀河周辺部の撮影データ
ε160ED (f3.3)   SX-814(-30d)
L: 900s x 31,  R:600s x 6,  G:600s x 5,  B:600s x 6
銀河内部の撮影データ
Orion 250mm with Paracorr2 (f4.6)  SX-814(-30d)
L:300s x 60,  RGB: 600s x 6, Ha: 900s x 6   




12月に入って、冬の遠征場所となっている下條村に出かけました。
時間的に余裕があったので、2台体制として撮影を行いました。
ここに掲載するのは、とも座にある二つの散開星団 M46とM47で
ペルセウス座の二重星団との比較で、冬の二重星団と呼ばれています。
月の沈むのが午前零時半頃でしたので、その辺りから4時過ぎまでの
撮影となりました。

M46は白色の細かい星の集まりの中に青色の惑星状星雲  NGC2438が確認できますが、
さらに北に小さなオレンジ色の惑星状星雲PK231+4.1も写っています。
一方、M47は青色の強く輝く星からなり、M46との対比が見事で,
魅力的な二重星団の写りと言えるでしょう。


M46-M47_SCNR_LHE_NXT_CT_UM_GC_PS_SI2-ps-2

撮影時刻 2024年12月10日 0時40分~
撮影場所 長野県下條村

ε-160ED with ε-EX160ED
D810A  ISO2000
180s x 70
FX-format 
EM200 TAMMA3 PHD
PixInsight 1.8.3-9  Photoshop2024  Stellaimage9






本年、最も力を入れて撮影を続けた紫金山・アトラス彗星でした。
当初は、肉眼で大きく見える日が長く続くのではないかと期待していたのですが、
なかなかそのようにはならず、諦めかけていた中での、出来事でした。
10月13日の夕暮れ、その時が訪れました。
当日は、午後2時まで会議、その後、どこに撮影に行くかを検討して
決めたのが伊吹山山頂でした。
午後4時過ぎには現地に到着でき、駐車場端に撮影場所を確保して、待機。
太陽が沈む頃には、撮影場所に人の群れが出来る程の賑わいとなり、
夕焼けの中で、しばらく待っていると一筋の白い尾が見えてきました。
スマホでも写ったという声を聞きながら、撮影を続け、彗星が見えなくなるまで
眺めていました。

その感動を思い出せるような作品にしたいと願いながら、画像処理を続けました。
星景写真は全くの素人なので、他の人の作品を参考にしながら、処理技術を学び、
なんとか仕上がった作品を星ナビに投稿することができました。
作品の素材が良かったので、星ナビのギャラリーに掲載される期待はあったのですが、
誌上で掲載された写真を見ることができ安堵しました。

選者のコメントに、「彗星はもちろん、琵琶湖周辺の灯り始めた街明かりとオレンジ色の
夕空が美しい秀作です。」と書いて頂き、喜びと感謝です。

投稿した作品を掲載します。

IBUK3-PS2jp




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