2025年05月

2年前に撮影した渦巻銀河NGC4395について、その画像をもとに再検討をしました。
前回はHaデータを加えることでHⅡ領域を明らかにすることを考えて実行したのですが、
そのために、銀河内部の微細な構造に影響を与えていたようでした。
そこで、今回は、RGB画像により銀河内部を詳細に表現することを目的として処理を行いました。
PixInsight は最新のバージョンである1.9.3とし、
天体の色合わせをSPCCを使用しています。

出来上がった画像は、銀河の中心付近が黄色となり
銀河の腕の部分の青色との違いが明瞭です。
また、銀河中心より南に分布する幾つかのHⅡ領域も良く分かります。


NGC4395-3
撮影日時:2023年 2月16日、21日、26日、3月19日
撮影場所:  長野県阿智村伍和 星見小屋
Orion 250mm  with Paracoor2
SX-814(-30d)
L: 600s x 50
RGB: 600s x 20 (1bin)
EM400  TAMMA2  Lodestar X2
PixInsight 1.9.3 /  Photoshop 2024 /  StellaImage 9  

今年もヘルクレス座の球状星団を撮影することができました。
北天のものとしては、もっとも明るく見ごたえのあるものとして知られていることも
その理由ですが、北にある銀河NGC6207も合わせて撮影できる対象でもあるからです。
今回は、星ぼしをしっかりと分離して捉えることを考えて、RGB画像のみの撮影としました。
カメラの画角から、NGC6207を収めるために、M13は中央よりも少し下になっています。


M13-RGB

撮影時刻:2025年5月4日  23時51分~
撮影場所:長野県阿智村伍和 星見小屋
μ250CRS with RD
SX-46(-30d)
R: 480s x 8,  G: 480s x 8,  B: 480s x 10 (1bin)
EM-400 TEMMA2, Guiding: Borg 60ED
PixInsight, Photoshop2024, Stellaimage9

4月に撮影することのできた、おおぐま座の渦巻銀河M101を掲載します。
この銀河は北側に長い腕が伸びていて、様々な構図を選ぶことができる対象です。
今回は、東にある銀河NGC5477を入れた構図としました。
また北に輝いている恒星も入れてみました。

最初にL画像を一晩かけて撮影し、後日RGBを撮影しています。

画像処理においては、これまでの春の銀河はHDRM処理をしていたのですが、
本銀河に対して行うと銀河中心部の輝きが落ちてしまうので、避けています。
その代わりにLHE処理を丁寧に行うことで、銀河中心部の解像度を高めることとしました。
他の処理は、他の銀河と同様に行っています。

M101-2

撮影時刻:2025年4月25日 23時46分~、  4月29日
撮影場所:長野県阿智村伍和 星見小屋
μ250CRS with RD 
SX-46(-30d)
L: 480s x 27
R: 240s x 15, G:240s x 15, B:240s x 25
EM-400 TEMMA2,   Guiding: Borg 60ED
PixInsight, Photoshop2024, StellaImege9


4月に撮影したりゅう座の渦巻銀河NGC5907を仕上げてみました。
エッジオン銀河でその形態が刃物やとげを連想させることから
ナイフエッジ銀河とかスプリンター銀河と呼ばれています。

本銀河の周囲には何本かの淡いループが見つかっており、恒星ストリームと
して説明されています。
そこで、そのループを捉える目的で今回撮影を行いました。
現地での撮影画像からは全く見つけることができませんでしたが、
画像処理を行うことによって銀河の東側に一本のループの存在がどうにか分かってきました。

さらに、銀河内部の詳細な構造や青い腕の部分も分かります。

NGC5907


撮影日時: 2025年4月3日 23時40分~ 、25日、29日
撮影場所: 長野県阿智村伍和 星見小屋
Orion250mm with Paracoor2
SX-814(-30d)
L: 600s x 48
R: 180s x 20, G: 180s x 20, B: 180s x 20 (2bin)
EM-200 Temma3 Lodestar X2
PixInsight, Photoshop 2024, StellaImage 9







ゴールデンウイークの最中、遠征準備中に星ナビ6月号が届きました。
本年2月に撮影したかみのけ座の銀河M100を誌上で見ることができたので、
掲載されたことに感謝しながら遠征の出発となりました。
そして、昨日、遠征先から帰宅しましたので、このブログを書いています。

M100は、銀河のクローズアップを撮影して10年程前に投稿しましたが、
銀河中心部分の描写が不十分で、やはり掲載はされませんでした。
そこで、今回は、CCDカメラは同じですが、鏡筒を変えて周辺の銀河も入れた構図としましたが、
銀河の写りもさらに改善されて、結果、掲載となりました。
この10年間における、画像処理技術の向上のお陰であると考えています。

今回の遠征で、春の銀河を幾つか撮影することができましたので、
暫くは銀河の画像処理を続けていくことにします。

投稿した写真を掲載します。

M100-PI-PH-SI



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